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昨夜のカープ対ドラゴンズ戦

広島02000000013 6
中日00000011012 5

このスコアだけみれば、拮抗した延長戦の死闘、緊迫したゲームが展開されたように見えます。
しかし実際は、パクパク鯉さんの口のようにしまりのないゲームでした。

なんとか勝ったカープにしても、救援陣がつぎつぎに失点して勝ちきれなかったわけですし、ドラゴンズにいたってはミスのオンパレード。

超ベテランが3度もバントを失敗してみたり、外野の後逸、投前バントの処理ミス、暴投、パスボールまで…。

草野球でもあそこまでは、と目を覆った諸兄淑女も多かったことでしょう。
真剣にプレイしていた選手諸君には失礼ながら、とてもプロ野球のゲームとはいえないおそまつなゲームでした。

捕手を使い果たして急遽マスクを被ることになったプレーイングマネージャーの谷繁監督がダッグアウト前であわててキャッチポールをはじめたときは、まさに草野球でよく見る光景を目にしたかのごときでした。

ナゴヤドームのスタンドからは「銭返せ!」のヤジが飛んでいたそうですが、気持ち、わかるだぎゃ。

それにしても、ここ最近のプロ野球の劣化はどうしたもんでしょうか。
球界のエースや一流野手がことごとく海を渡ってメジャーに行ってしまったことが、このレベルの低下を招いた一因であることは疑いようがないでしょう。

しかし、はたしてそればかっかなんでしょうか。

人材が出れば、後ガマが育つ。
多少のレベルの差はあっても、通常その穴は埋まるものです。

ところがこのところの球界は支出に収入が追いつきません。
プロ野球全体が、ゆるやかに地盤沈下していくばかり。

そこで気になっているのが、いくつかの球団の指揮官の人選ミスです。
とても適任とは思えないOBの格上げはまだしも、指揮官落第者をなにごともなかったかのように再雇用。そして不適格であるにもかかわらずいつまでも続投させる。

とてもまともな感覚で人事をしているとはおもえない事例があとを断ちません。
派閥の力学だったり、お気に入りの登用だったり、有力者の押しつけだったりなんでしょう、力量才能で起用しているとはとても思えない監督が何人も選ばれてきました。

指揮官が無能であれば、選手は育ちません。もし二軍で育っても起用法に一貫性がなければせっかくの成長株もつぶれてしまいます。
また、センスのない采配で判断ミスを繰り返せばつまらない負けが込んで、そのうちチームは瓦解していってしまいます。

そんな監督が率いるチームが試合をして、ファンを納得させるゲームができるはずがありません。
そりゃ試合ですから、最終的にはどちらかが必ず勝ちます。しかし戦力不足やミスの数を競うような試合にどれほどの価値と魅力がありましょうぞ。
最近はそんなゲームがやたらにふえてきているようにおもえてしかたがありません。

指揮官の選任を間違えれば、彼の任期中のチームは低迷します。そしてその間に劣化したチームを立て直すのは容易なことではありません。
そんな現象があっちのチームでもこっちのチームでもあるのですから、球界全体が劣化してしまったのは当然といえば当然のことです。

球界の逸材がつぎつぎに流出することを歎く前に、経営陣にはこの危機感をしっかり認識して、せめて裁量できるところだけでもしっかり取り組んでほしいものです。

とはいえ、このような人事問題は氷山の一角。各球団とも構造的な問題を少なからず抱えていることは衆知のことです。
それこそ球団トップの人事に問題があるんですから、悲観的にならざるを得ません。

しかしこのままパイが小さくなって腐敗していけば、プロ野球に未来はないでしょう。

まずはトップのトップ、コミッショナーの選任から改革するべきなんでしょうが、そのコミッショナーが…

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