左の切り抜きは、きょうの某広島地方紙の書籍ランキングのベスト10です。
なんと「カープ本」が4タイトルもランクインしているのに驚かされます。
オールスター戦にカープの8選手が選出されて以来の衝撃といっていいでしょうか。
ランキング2位が「カープ特集」のムック本。
つづいて3位に「キクマルコンビ」のムック。
5位にはカープの歴代ユニフォームを並べたカタログ本が入り、10位には某広島地方紙が刊行している「若ゴイ特集」がランクイン。
広島という土地柄、これまでも毎年お約束のように「カープ本」がランクインすることはあっても、ここまでの事態にいたったことはありませんでした。
あちこちのスタジアムにカープ女子が押し寄せているように、いまや出版界をカープ本が席巻しているかのようです。
もちろんこれらは氷山の一角。以前の投稿でもご紹介しましたが、ランク外には数知れない「カープ本」が存在しマーケットにあふれています。
まさに「カープ本バブル」。
これはもちろんカープ人気の広がりが生んだ現象であることは論を待ちません。
しかし、はたしてこの異常事態がカープファンにとって、カープ選手にとって、また球団や関係者にとって好ましい現象なのか、すこし不安になってしまいます。
いいも悪いもごっちゃになって、いま「カープ」というフィールドが出版界の草狩り場になってるといっては言い過ぎでしょうか。
かつてカープ球団は、これらの出版に非協力的でした。
大手の出版社がいくら企画を持ちこんでも「うちはいいよ」のひとことで門前払い。
地元の某新聞社と一部の出版社だけが情報発信を独占し、既得権益が守られているような状況でした。
そんな閉鎖性がこれまでカープ人気の全国的な広がりを阻害していたことは想像に難くありません。
それが最近は手のひらを返したように協力的です。
かつてのことを思えば、この“解放政策”は好ましいことではありますし、それが現今のカープ人気の広がりに寄与しているということでしょう。
とはいえ、ものには程度とか節度が必要です。
「カープ球団公認」の出版でどれだけのロイヤリティーをカープ球団が手にしているのかはしりませんが、そのつど取材に対応させられる選手やコーチたちの負担は軽くはないはずです。
シーズン真っ盛りの9月。
ペナントレースが熾烈になってきているときに、きょうはあっちの取材、あすはこっちの取材と引っ張り回される選手たちはたまったものじゃありません。集中して練習することも試合にのぞむこともできないでしょう。
もしいま気骨あるヨシヒコのような選手がいたら、「いい加減にしてくださいよ!」と球団に意見してトレードに出されることになったかもしれません。(笑
ファン(読者)の多くはシーズン中の選手の心境を聞きたいわけではなく、シーズンを精一杯戦ってペナントレースに勝利してもらいたいのです。
いま優勝をかけて、あるいは2位の座をかけてシーズンを戦っている時期に、誌面を掛け持ちして笑みを浮かべながらインタビューに答えている選手たちの顔・顔・顔を見ていて、情けない気持ちになったカープファンも少なくないことでしょう。
書店の平台に並ぶ「カープ本」のラインアップを眺めながら、「うちは優勝するつもりはないからいいのよ」
そんな球団のメッセージが聞こえたようにおもったのは気のせいでしょうか。
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