2014年09月

カープ本ランキングWEB用
左の切り抜きは、きょうの某広島地方紙の書籍ランキングのベスト10です。

なんと「カープ本」が4タイトルもランクインしているのに驚かされます。
オールスター戦にカープの8選手が選出されて以来の衝撃といっていいでしょうか。

ランキング2位が「カープ特集」のムック本。
つづいて3位に「キクマルコンビ」のムック。
5位にはカープの歴代ユニフォームを並べたカタログ本が入り、10位には某広島地方紙が刊行している「若ゴイ特集」がランクイン。

広島という土地柄、これまでも毎年お約束のように「カープ本」がランクインすることはあっても、ここまでの事態にいたったことはありませんでした。

あちこちのスタジアムにカープ女子が押し寄せているように、いまや出版界をカープ本が席巻しているかのようです。

もちろんこれらは氷山の一角。以前の投稿でもご紹介しましたが、ランク外には数知れない「カープ本」が存在しマーケットにあふれています。

まさに「カープ本バブル」。

これはもちろんカープ人気の広がりが生んだ現象であることは論を待ちません。
しかし、はたしてこの異常事態がカープファンにとって、カープ選手にとって、また球団や関係者にとって好ましい現象なのか、すこし不安になってしまいます。

いいも悪いもごっちゃになって、いま「カープ」というフィールドが出版界の草狩り場になってるといっては言い過ぎでしょうか。

かつてカープ球団は、これらの出版に非協力的でした。
大手の出版社がいくら企画を持ちこんでも「うちはいいよ」のひとことで門前払い。
地元の某新聞社と一部の出版社だけが情報発信を独占し、既得権益が守られているような状況でした。
そんな閉鎖性がこれまでカープ人気の全国的な広がりを阻害していたことは想像に難くありません。

それが最近は手のひらを返したように協力的です。
かつてのことを思えば、この“解放政策”は好ましいことではありますし、それが現今のカープ人気の広がりに寄与しているということでしょう。

とはいえ、ものには程度とか節度が必要です。

「カープ球団公認」の出版でどれだけのロイヤリティーをカープ球団が手にしているのかはしりませんが、そのつど取材に対応させられる選手やコーチたちの負担は軽くはないはずです。

シーズン真っ盛りの9月。
ペナントレースが熾烈になってきているときに、きょうはあっちの取材、あすはこっちの取材と引っ張り回される選手たちはたまったものじゃありません。集中して練習することも試合にのぞむこともできないでしょう。

もしいま気骨あるヨシヒコのような選手がいたら、「いい加減にしてくださいよ!」と球団に意見してトレードに出されることになったかもしれません。(笑

ファン(読者)の多くはシーズン中の選手の心境を聞きたいわけではなく、シーズンを精一杯戦ってペナントレースに勝利してもらいたいのです。

いま優勝をかけて、あるいは2位の座をかけてシーズンを戦っている時期に、誌面を掛け持ちして笑みを浮かべながらインタビューに答えている選手たちの顔・顔・顔を見ていて、情けない気持ちになったカープファンも少なくないことでしょう。

書店の平台に並ぶ「カープ本」のラインアップを眺めながら、「うちは優勝するつもりはないからいいのよ」
そんな球団のメッセージが聞こえたようにおもったのは気のせいでしょうか。




広島野球ブックフェアで、愉快なトークを披露してくれた広尾晃氏が上の新刊を上梓。

またやってくれました。

「プロ野球解説者を解説する」につづいて、今回は「たられば本」。野球を語るにタブーとされる「たられば」にあえて、正々堂々と、真っ向から挑戦してくれています。

いつから野球を語るに「たられば」がご法度になったのか存じあげませんが、あえていえば野球を語るには「たられば」しかないのですね。
そもそも野球は「たられば」で成り立っているゲームなんですから。

先頭バッターが塁に出「たら」、バントかヒットエンドランか?
2ストライクにな「れば」、フォークボールで勝負!

かように「たら」と「れば」をあらかじめ予測し仮説を立てて準備するもの。
また「たられば」を想定しながら局面、局面に対応するわけですね。
そんな野球というゲームを楽しむのに「たられば」は無しは、無しでしょ。

プレイする当事者が、わが凡プレイを「たられば」で言い訳するのはまずいでしょうが、ファンが「たられば」で野球を語るのは常道なのです。
現実「たられば」なしで野球を語ることは不可能なんですから。

ちなみに同著にあげられた63の「たられば」のいくつかを-

「江川卓が、高校からプロ野球に入っていたら」
これなんか、野球ファンの間では古典的な「たられば」ですよね。

甲子園での彼の怪物ぶりを目にしながら、この「たられば」をおもわなかったファンがもしい「たら」、お顔を拝見してみたいものです。

「田淵幸一が巨人に入団していたら」
この「たられば」は、たぶんご本人の大好物。いまでもときどき想像してみてはため息をついているかもしれません。

「WBC2009年日本代表が1年間大リーグで戦ったら」
これなんか想像を楽しむというより、実現してほしい「たられば」です。

あくまでも「たられば」ですから、予測はいかようにもできるもの。
しかし広尾さんはお得意のデータを背景にして予測しているのがミソ。それなりの説得力があるのですね。

それでも「いやいや、もっと活躍した」とか「それは過大評価」とか異論もあるのは著者も承知。その異論から議論が広がって野球のファンタジーが共有してもらえれば本望と「おわりに」もあります。

でもそんな謙遜せずに、
この本をきっかけに「たられば」に市民権を!
くらい言いきっちゃってもいいんじゃないでしょうか。
また、そうなってほしいものです。

こんど機会があったら、もしお会いできれば、広尾さんとまた「たられば大放談トーク」でも愉しみたいものです。







 

カープ本

最近刊行された「カープ本」を手に入れてきました。

すごい景色。
目が充血してしまいそうです。

歴代ユニフォームガイドにキクマル礼賛本。グッズカタログに黄金時代回顧本…。
手を変え品を変えのラインアップです。

いまどきはアウェイのスタンドもカープカラーで真っ赤っかと評判ですが、書店の店頭も同様に真っ赤っかなのです。

この出版景気が「カープ人気」を支えているのか、それともカープ人気がこの出版バブルを支えているのか?

いずれ考察してみたいものです。






プロ野球最期の言葉
村瀬 秀信
イースト・プレス
2010-10-15


カープの横山竜士投手がきのう引退の記者会見をしましたね。

「誇れるものはないが、やり残したことはなにもない。幸せな野球人生だった」

感慨深いコメントです。

キレのいい速球とブレーキのあるカープで、マウンド度胸満点の真っ向勝負挑んでいた横山投手。
ここ最近のカープでは異彩を放っていた投手でした。

まだまだとおもっていましたが、もうカープ投手陣の最年長だったのですね。

本格派豪速球投手の職業病ともいえるルーズショルダーで、綱渡りの投手生活だったことでしょう。
やっとその綱から降りられるというわけです。

「巨人軍は、永遠に不滅です」
「我が選んだ道に悔いなし」
「野球の神様に感謝します」
 ……

引退する選手たちのことばは千差万別です。

でも彼らの血のにじむような努力の結果を
お気軽に見るだけの私たちは、こんなねぎらいの言葉しか持ち合わせてはいません。

「いままでありがとう。お疲れさまでした」




 

ブレないメンタルをつくる心の軸
井口 資仁
ベースボールマガジン社
2013-11


球界の“高齢化”に歯止めがかかりません。
もちろん、いい意味でですが。(笑

つい先日、中日の山本昌投手(49才)が先発勝利投手の最高齢記録を塗り替えたばかりですが、ほかの“高齢者”たちもお達者です。

楽天の斎藤隆投手(44才)が、来季も現役を続行することが決まったようですし、千葉ロッテの井口資仁選手(39才)は、来シーズンからの3年契約が見込まれているとか。

年内には40才になる井口選手は、契約年シーズンは41才。そこからの複数年契約というのは異例中の異例。メジャーから里帰りして6シーズン。まだまだ元気です。

メジャー帰りといえば、横浜の中村紀洋選手
(41才)は、まだ現役に意欲満々ですし、松井稼頭央選手
(38才)は、今シーズンは4番を打ってたみたいですね。

中村選手なんか、まだ態度も老け込まないというか青くさくて、もうすこしファンを楽しませてくれそうです。

43才のプレーイングマネージャー谷繁元信捕手の周辺からも、まだ「引退」の二文字は聞こえてきません。
てか、後継者まだ育ってませんもんね。

とまあ、不惑過ぎの現役プレイヤーもいまでは珍しくなくなってきました。

引退選手のコメントを聞くと、ほとんどが判で押したように「つらいばっかの野球人生でした」みたいなことをおっしゃいます。

でも、それだけだったら、こんなに長くグラウンドにとどまることはないでしょう。
つらい練習や勝負のプレッシャーに圧し潰されそうになりながらも、からだの奥からにじみ出てくるうきうきするような野球の愉しさを感じているからこそ、選手はユニフォームが愛おしくてしかたがないのでしょう。

御大の山本昌投手もまだまだ引退するつもりはないようで、彼に引っ張られるように“高齢化の波”はこれからも球界を浸食(いい意味でですが)していきそうです。

でもそれって、彼らを追いやる若手が育ってきていないことでもあるわけで…

ガンバレ、若輩ものたち! 



 ※ 各選手の年齢は厳密には数えていません。多少の誤差はご容赦を。

↑このページのトップヘ